2024年3月8日、日本初のeスポーツを題材とした劇映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』が公開されました。本作は、実在の高等専門学校の学生をモデルに描かれた青春ドラマで、奥平大兼と鈴鹿央士がダブル主演を務めています。
『PLAY!』のあらすじ
物語の舞台は徳島県の阿波高専。金髪にピアスという派手な外見の郡司翔太(奥平大兼)は、ある日校内に貼られた「全国高校eスポーツ大会メンバー大募集」というポスターに興味を持ちます。
ポスターを作成したのは、1学年上の田中達郎(鈴鹿央士)。達郎は怪我が原因でバスケットボールを諦めた過去を持つ天才ゲーマーでした。
達郎は1チーム3人編成のeスポーツ「ロケットリーグ」の大会に出場するため、翔太に加えて、たまたま近くにいたVTuber好きの小西亘(小倉史也)にも声をかけ、半ば強引にチームを結成します。
年齢も興味も異なり、普段の学校生活では交わることのなかった3人は、「アンダードッグス(かませ犬)」というチーム名で全国大会に挑むことになります。
最初は全く息の合わなかった3人ですが、次第にeスポーツの魅力に引き込まれていきます。それぞれが悩みを抱えながらも、この瞬間を全力で「PLAY」する姿が描かれ、東京で開催される決勝戦を目指して奮闘する様子が綴られていきます。
注目のキャスト陣
奥平大兼(郡司翔太 役)
主人公の郡司翔太を演じるのは、『MOTHER マザー』などで知られる奥平大兼です。金髪にピアスという派手な外見のeスポーツビギナーを演じています。
鈴鹿央士(田中達郎 役)
『蜜蜂と遠雷』『星空のむこうの国』などで注目を集める鈴鹿央士が、天才ゲーマーの田中達郎を演じています。
小倉史也(小西亘 役)
子役時代に『20世紀少年』シリーズに出演し、本作ではVTuber好きの小西亘を演じています。
山下リオ(三上桃子 役)
翔太のクラスメイトで、彼の変化に気づく三上桃子を演じています。
花瀬琴音(松永紗良 役)
達郎のクラスメイトで、彼を気にかける松永紗良を演じています。
その他の出演者
斉藤陽一郎、唯野未歩子、冨樫真、山田キヌヲ、薬丸翔、夏生大湖、岩本晟夢、徳留歌織、杉山ひこひこ、村上航、胡桃のあ(ぶいすぽっ!)、和田聰宏、古舘佑太郎、三浦誠己など、個性豊かな俳優陣が脇を固めています。
製作陣
監督は『ホームレス中学生』『ロボコン』『のぼる小寺さん』などを手がけた古厩智之が務めています。
脚本は櫻井剛、音楽は遠藤浩二が担当。主題歌はCody・Lee(李)の「イエロー」です。
企画・プロデュースは、人気ゲーム「サクラ大戦シリーズ」で知られるマルチクリエイターの広井王子が務めています。
撮影地と製作背景
本作の大半は徳島県で撮影されており、学校のシーンは物語のモデルとなった阿南工業高等専門学校でロケが行われました。
日本初のeスポーツを題材とした劇映画という点で注目を集めており、実在の学生をモデルにしているという背景も話題を呼んでいます。
作品の特徴と見どころ
『PLAY!』は、eスポーツという新しい題材を通して、現代の若者の姿を描き出しています。勝ち負けよりも、全力で「PLAY」することの大切さを伝えようとする作品のメッセージは、タイトルにも反映されています。
本作の見どころは、年齢も性格も異なる3人の若者が、eスポーツを通じて成長していく過程です。それぞれが抱える悩みや家庭環境、人間関係なども丁寧に描かれており、単なるスポーツ映画ではない奥深さがあります。
また、奥平大兼と鈴鹿央士という若手実力派俳優のダブル主演も大きな魅力です。2人の演技力と chemistry は、作品の質を大きく高めています。
eスポーツの競技シーンも見どころの一つです。「ロケットリーグ」という実際のゲームを題材にしており、その迫力ある試合の様子も楽しめます。
作品への反響
公開前から、日本初のeスポーツ映画として注目を集めていた本作。実際の観客からは、「現代っ子特有の煮え切らない感じが良く表現されている」「ゲームが好きな人にも、そうでない人にも楽しめる作品」といった声が上がっています。
一方で、「家庭環境の描写が重すぎる」「練習や絆を深める描写がもう少し欲しかった」といった意見も見られます。
しかし、奥平大兼と鈴鹿央士の演技力については多くの観客が絶賛しており、2人の存在感が作品の魅力を大きく引き上げているという評価が多いようです。
まとめ
『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』は、eスポーツという新しい題材を通して、現代の若者の姿を描き出した青春ドラマです。奥平大兼と鈴鹿央士のダブル主演、実話に基づいたストーリー、そしてeスポーツの世界という新鮮な設定が、多くの観客の心を掴んでいます。
勝ち負けにこだわらず、全力で「PLAY」することの大切さを伝えるこの作品は、ゲーム好きはもちろん、青春ドラマファンにもおすすめの一本と言えるでしょう。