恋愛リアリティ番組『バチェロレッテ・ジャパン』（以下・『バチェロレッテ』）が再び話題を呼んでいます。Amazon Prime Videoが配信するこの番組は、1人の独身女性が15人の男性参加者の中から運命の相手を探し出すという舞台設定で、多くの視聴者を魅了してきました。過去に2シーズンが配信され、6月27日からはシーズン3の配信が始まります。シーズン3を待ち望む声がSNSでも高まる中、『バチェロレッテ』がなぜこれほど女性視聴者に人気があるのか、その理由を探ってみましょう。
シーズン3に向けて期待が高まる『バチェロレッテ』
『#バチェロレッテ ・ジャパン』シーズン3
— 【公式】『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン3 今夏配信開始🌹 (@BachelorJapan) May 30, 2024
🌹参 加 男 性 解 禁🌹
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参加男性15名のインタビューは
次のポストにて👀
\ 真実の愛 /を掴むのは誰なのか――。
┊6月27日(木) 𝟐𝟎:𝟎𝟎 配信開始┊#バチェロレッテ3 #ロレッテ pic.twitter.com/WjiPL2NyAo
5月30日、シーズン3に参加する男性メンバー15名の情報が発表されました。SNS上では「バチェロレッテ楽しみ！」といった声が飛び交い、多くの視聴者が配信開始を待ち望んでいます。今回のシーズンでバチェロレッテを務めるのは、東大工学部卒・元経産省のバリキャリウーマン、武井亜樹さんです。彼女を巡って争う男性陣には、ヴィオラ奏者、獣医、物理化学者、ヒューマンビートボクサーなど、個性豊かなメンバーが揃っています。
非日常の舞台と現代の女性像が視聴者を引き込む
番組の大ファンであるトレンドアナリストの太田まき子氏は、『バチェロレッテ』にハマる理由を「ゲーム感覚」と「現代の女性像」にあると指摘しています。非日常で煌びやかなロケーションの中で、一人の女性を男性参加者が奪い合う婚活トーナメント方式のエンタメ性が、視聴者をゲーム感覚で引き込みます。さらに、参加者は毎回バラエティ豊富で、それぞれの魅力があり、自分の“推し”を考えながら見る楽しさがあります。駆け引きや心理戦、生々しい喜怒哀楽の感情が交錯する姿に、視聴者は感情移入してしまうのです。
太田氏は、「『バチェロレッテ』は“女性だからといって（男性から）選ばれる側ではない”という点が、今の時代にマッチしている」とも述べています。主人公となる女性は、美貌、経済力、知性のすべてを備え、男性と対等に渡り合います。例えば、シーズン1の福田萌子さんは、男性の本質を見抜きつつも、否定的な言葉を使わない強く逞しい女性像で反響を呼びました。シーズン2の尾崎美紀さんは、強い意志を持ち、自分の力で夢を実現させている女社長。こうした“現代の女性像”をエンタメとして見ることができるのも、『バチェロレッテ』ならではの魅力です。
『バチェロレッテ』があぶり出す男性の恋愛観
働き方が多様化し、女性の社会進出が進む現代社会では、結婚相手として男性から“選ばれる”時代は過去のものとなりました。女性が男性を選ぶ『バチェロレッテ』は、SNSでも毎シーズン盛り上がりを見せており、多くの女性がバチェロレッテに憧れています。
世代・トレンド評論家の牛窪恵氏によれば、『バチェロレッテ』は男性の恋愛観の変化をあぶり出す役割も果たしています。かつては、高収入、高学歴の女性は“可愛げがない”としてモテないと言われていましたが、今では男性側の価値観も大きく変化しています。例えば、男性が未来の妻に求める条件として、約半数が“経済力”を挙げており、その金額も年収300万円以上が最多という調査結果が出ています。これは、一人の収入だけでは家庭を支えられないという現代の経済事情を反映しています。
また、かつては男性が大黒柱として家族の生活を支えるのが当たり前でしたが、今では恋愛面でも男性が女性をリードするのが当たり前ではなくなりました。草食男子という言葉が生まれ、男性側が女性に弱みを明かし、“等身大”の関係を求めるようになっているのです。
女性が求める結婚相手の条件
女性が男性を結婚相手として見る時、家事や育児を一緒にやってくれそうか、話を聞いてくれそうか、趣味は合うかといった内面的な視点も重視するようになっています。“一緒に”生活をつくれる相手かどうかが重要視されるのです。背景には、女性が20、30代で仕事を辞めるという認識が変わり、結婚・出産しても働くことが当たり前になった社会環境があります。これにより、男性と“対等”な関係を望む女性が増えてきました。
理想と現実のギャップを埋める『バチェロレッテ』
しかし、女性を取り巻く社会環境には、理想と現実のギャップが存在します。男女平等の教育が行き渡り、女性が男性をリードすることが当たり前になってきた一方で、現実には「自分にはできない」、あるいは社会がそれを許してくれないというギャップがあるのです。
『バチェロレッテ』で展開される女性優位の状況は、女性にとって“そうだよね、もうそういう時代だよね”という共感を呼び起こします。これはフィクションではなく、現実にいる人たちが繰り広げるリアリティ番組であるため、女性が見ていて溜飲が下がり、気持ちがいい部分があるのです。
ゲーム性とリアルが融合する『バチェロレッテ』
『バチェロレッテ』の魅力は、非日常的なロケーションやエンタメ性だけでなく、現実の恋愛観や社会の変化を反映している点にあります。ゲーム感覚で楽しめる一方で、現実の男女関係のあり方を考えさせられる番組です。
今の時代における真実の愛とは何か――視聴者も番組を通して見つけられるかもしれません。シーズン3がどのような展開を見せるのか、多くの視聴者が期待を寄せています。今後も『バチェロレッテ』がどのように女性視聴者の心を掴んでいくのか、その動向に注目です。